設計Hです。
もう何十年前のことですが、
ヨーロッパの建築を見るために、ユーレイルパス(ヨーロッパの青春18切符のようなもの)
を使って、数か国を半年ほど旅行しました。
写真は、スイスのレマン湖のほとりに建つ、
ル・コルビジェが両親のために設計した、通称「小さな家」です。
世界中からコルビジェファンが訪れる建築のメッカ。
この家が素晴らしいのは、
とにかく、両親への愛情があふれた作品であるところや、
ディティールが、思いのこもった造作になっているところ、
小さな家への建築的な解決方法が、回遊できる平面として出されているところです。
長さ15メートル×幅4メートル、日本風にいえばわずか18坪の小さな家ですが、
明るさと暗さ、狭さと広さ、複雑さと単純さ、
異質なものたちが対比されておかれたり、融合されたりして、
豊かな空間がつくりだされています。
そのサプライズが、見る人に感動を与えます。
当時、もよりの駅からタクシーで向かいました。
まわりはブドウ畑で、本当に美しいところに建っていました。